アライメントツールとは?
車の走行性能を正確に引き出すためには、「アライメント(足まわりの角度)」を適切に測定・調整することが欠かせません。そのために使われるのが アライメントツール です。アライメント、特にトーの測り方には、大きく分けて3つの測定方法があります。
アライメントツールの種類
①アライメントテスター
整備工場に設置されている大型設備で、ホイールに取り付けたマーカーをカメラやレーザーで識別して測定します。
高い分解能を持ち、データシート出力も可能なため、最も詳細な情報を出力します。
メリット
- 高精度・高分解能
- 測定データが詳細
デメリット
- 測定原理がブラックボックスで理解しづらい
- タイヤ装着状態での測定のため、タイヤの変形・摩耗が測定結果に含まれる
- 設備が大型で持ち運び不可

② ダイレクト測定法
タイヤやホイールに器具を当て、左右の前後距離差を直接測定してトー角を求める方法です。
レーザー+ミラー式や、シンプルなスケール式まで存在します。
メリット
- 現場でも素早く測定可能
- 機器が比較的コンパクト
デメリット
- 誤差の積算:部品点数が多いため、公差による誤差が累積しやすい
- ハンドルセンターがズレやすい:片側のみ調整しても数値上合ってしまう場合があり、センター合わせの為に複数回調整が必要
- 反射鏡による誤差:鏡面の平面度を高精度に保つのは難しく、微小な湾曲が測定結果に含まれる
- 組み立ての手間:走行合間の作業としてはセットアップが煩雑
トー前後差を直接スケールで測る方法
タイヤ前後で距離をテープメジャーなどで測る方法もありますが、以下の理由から採用していません。
- 1人で作業できない(メジャー端を保持する人が必要)
- 測定距離が長くなるとメジャーそのものの誤差が増える
- トー調整幅1mm以下の精密作業には不向き


③ストリング(糸)法
車両の両側に糸を張り、その基準線とホイールとの距離を測ることでトー角を調整する、もっとも基本的な測定方法です。
メリット
- 構造がシンプルで、誤差要因が少ない
ストリング法は糸(基準線)+距離測定 という単純な構成です。部品点数が少ないため
◦公差の積算による誤差が発生しにくい
◦経年変化による精度低下が起こりにくい
という特長があります。 - 機器が比較的コンパクト
大掛かりな設備や精密機構を必要とせず、コンパクトに持ち運びが可能です。 サーキット自宅ガレージ出張整備など、現場作業に適しています。 - ハンドルセンターを正確に出しやすい
- 測定原理がわかりやすい
「基準線(糸)とホイールの距離を測る」という直感的な方法のため、測定結果の意味をユーザー自身が理解できる点も大きな特長です。
デメリット
- 車両の歪みを直接数値化することはできない
以下のような項目は、ストリング法では直接的な数値として把握できません。
◦スラスト角
◦セットバック
◦サブフレームの歪み
これらは調整ではなく、診断・修理の領域です。 - アライメントテスターのような総合データは出ない
キャンバー・キャスター・スラスト角などを一括で数値化・記録することはできません。詳細な診断や車両状態の記録が必要な場合は、アライメントテスターが有効です。 - 精度は作業者に依存する
作業の丁寧さが測定結果に影響します。ただしこれは、「ブラックボックスではない」というストリング法の裏返しでもあります。

813 アライメントツールズが「ストリング法」を採用する理由
813アライメントツールズは、測定状態を自分で把握でき、再現できる方法としてストリング法を採用しています。
電子機器や複雑な治具に頼らず、サーキットや自宅でも同じ前提条件で測れることを重視しました。
一般的なストリング法の弱点
一般的なストリング法では、トレッド幅の前後差を直接確認できないという弱点があります。タイヤ外側を基準にするため、左右差があっても気づきにくい場合があります。
813アライメントツールズの考え方
813アライメントツールズは、ホイール中心を基準にストリング法を構成しています。
前後輪ともトーゼロに調整できるサスペンション形式であれば、各輪の中心とリム位置を前後で比較することで、トレッド幅の前後差を確認することが可能です。
(※トーションビーム式など、後輪トー調整ができない車両は対象外です)

まとめ
ストリング法は、前提条件を正しく作れば”見える”、信頼性の高い測定方法です。
813アライメントツールズは、その原理を活かし、弱点は構造で補っています。



