アライメントツールの使い方
ダミーホイール/ハブスタンドPLUSは、セット変更を「感覚」ではなく「再現できる作業」に変えるためのツールです。
このツールでできること
タイヤを外してアライメント調整・測定
タイヤ外径や空気圧の影響を排除し、純粋な幾何としてアライメントを測定できます。
トー角をmmで管理
角度ではなく変位量で管理することで、調整と再現が直感的になります。
セットを記録できる
走行後に「戻せる」ことが、最大のメリットです。
① 全体フロー
STEP 2
基準作り
ダミーホイールを装着し、左右差・前後差の基準を揃えます。
STEP 3
キャンバー測定/調整
角度計を用いて数値で測定・調整します。
STEP 4
トー測定/調整
トー調整ツールを用いて測定・調整します。
② STEP1|準備(定盤・水平の設定)
アライメント作業の精度は、最初の基準づくりでほぼ決まります。
定盤を安定した場所に設置し、レーザー水平器とマグネットスケールで基準を確認しながら、デジタル角度計を用いて4枚それぞれの前後・左右の水平を調整します。
この工程では、設置環境の凹凸や排水用の傾きを可能な限り排除し、車両を水平な環境に置くための基準面を構築します。

③ STEP2|ダミーホイール/ハブスタンド取付
基準面が整ったら、車両をジャッキアップし、各輪にダミーホイールを取り付けます。
ダミーホイールを使用することで、タイヤ外径や空気圧、接地状態のばらつきを排除し、車両本来の幾何学的関係のみを測定できる状態を確保します。
また、足回りへのアクセス性が向上するため、以降の調整作業もスムーズに行えます。

④ STEP3|キャンバー角の測定・調整

キャンバー角は、トー調整を行う前に必ず確認しておく必要があります。
キャンバー角が変化するとタイヤの接地点位置が変わり、その影響でトーの見え方や数値も変わるためです。
ダミーホイールに取り付けた角度計を使い、各輪のキャンバー角を測定します。
この段階ではまず現状値を把握し、調整量が大きい場合は、キャンバー調整後に再度トーを確認・調整する必要があることを前提として作業を進めます。
一度で数値を決め切ろうとせず、キャンバーとトーを行き来しながら数値を収束させる意識を持つことが、再現性の高い調整につながります。
⑤ STEP4|トー角の測定・調整
ダミーホイールおよびハブスタンドPLUSでは、トー角を「ミリ」で管理します。
車両条件に関係なく、以下の手順で必ず設定できます。
STEP4-0|必要な数値を準備する
- メーカー公表値のトレッド幅(前輪・後輪)
- 純正ホイールのオフセット(前輪・後輪)
※ カスタムホイール使用時も、基準は純正値を使用してください。
STEP4-1|ハブ面前後差を算出する(全車共通)
前輪と後輪それぞれの「左右ハブ面距離」を計算し、その差から 車両片側分のハブ面前後差を求めます。
STEP4-2|糸の通過位置を決める
STEP4-1で求めた数値をもとに、糸がマグネットスケールの どの位置を通過するかを決定します。

フロント側トレッドが広い場合
基準:フロント側
- フロント側: 基準位置(調整不要)
- リア側: フロント側 + ハブ面前後差(片側)
フロントに対して、リアのハブ面位置を
外側へオフセット して糸を張ります。
リア側トレッドが広い場合
基準:リア側
- フロント側: リア側 + ハブ面前後差(片側)
- リア側: 基準位置(調整不要)
リアに対して、フロントのハブ面位置を
外側へオフセット して糸を張ります。
STEP4-3|トー値の読み取り・調整
ダミーホイール/ハブスタンドPLUSでは、
トー角を 角度ではなく「ミリ(距離)」 で管理します。
トー調整ツール左右に表示されるスケールの数値を読み取り、左右の合計値 が、その軸のトー値です。
トー値の読み取り方
- 左右それぞれのスケール外端の数値を読み取る
- 左右の数値を合計する

例)
左:1.5mm / 右:1.5mm
→ 合計 3.0mm(トーイン/アウト)
左右が同じ位置
→ 合計 0mm(トーゼロ)
トーゼロの考え方
左右のスケール位置が同じであれば、
糸は車両中心線に対して平行に張られています。
左右差ゼロ = トーゼロ
トー値の調整方法
トー値は、タイロッドの伸縮によって調整します。
- タイロッドを調整
- スケールを読み取り
- 必要に応じて再調整
調整時の注意点
調整量が大きい場合、
糸の通過位置(マグネットスケール中央)がズレることがあります。
その場合は、糸の支持ボルト長さを微調整し、
糸を基準位置に戻したうえで、再度トー値を読み取ってください。
⑥ STEP5|記録
測定・調整が完了したら、
数値を記録します。ダウンロードはこちらから
ダミーホイール/ハブスタンドPLUSを使ったアライメント測定では、セットを「感覚」ではなく「再現できる数値」として残すことが重要です。
キャンバー角、トー値(mm)、糸の基準位置などを記録しておくことで、
- 走行後に同じセットへ戻せる
- 条件違いのセットを比較できる
- 調整の意図を後から確認できる
結果シートは、
アライメントを再現するための基準データです。
実際の作業の流れをご紹介します
ここまで解説してきた手順を、実際の作業映像でまとめています。
使用しているツールとあわせてご覧ください。

- ダミーホイール本体
- レベリングパッド(定盤)
- トー調整ツール(トー計測バー+マグネットスケール)
- サポートバー(トー調整ツール付属品、今回は不使用)
- レーザー水平器
- デジタル角度計
- 水糸&おもり
- ステアリングホルダー(任意)
あとは道具が手助けしてくれます

ダミーホイール
タイヤの影響を排除し、最も再現性の高いアライメント測定を行うための基準ツール。

ハブスタンドPLUS
精度と取り回しのバランスを重視。 日常的な調整作業に適したモデル。
