TECHNICAL GUIDE / 03

ダミーホイールのハブ中心高さを決める方法

ダミーホイールを注文するときに決める重要な仕様のひとつが、ハブ中心高さです。

ハブ中心高さとは、ダミーホイールを水平な面へ設置した状態における、地面からハブ中心までの距離を指します。

使用するタイヤサイズ、前後のタイヤ外径差、作業時の取り回しなどを考慮して決定します。

ハブ中心高さとは

通常のタイヤ・ホイールでは、地面からハブ中心までの高さは、おおむねタイヤ外径の半分になります。

ダミーホイールでは、タイヤの代わりに本体と脚部で車両を支持するため、製品の設計段階でハブ中心高さを決める必要があります。

813アライメントツールズでは、主に次の情報をもとに仕様を決定します。

  • 使用するタイヤサイズ
  • 前後でタイヤサイズが異なるか
  • タイヤ外径基準から高さを変更するか
  • 複数車種で共用するか

ハブ中心高さは、製品完成後に簡単に変更できる寸法ではありません。注文前に使用条件を整理する必要があります。

タイヤ外径を基準にする

タイヤ装着時と同等の高さにする場合は、使用するタイヤの外径を確認し、その半分をハブ中心高さの基準とします。

ハブ中心高さの基準値 = タイヤ外径 ÷ 2

タイヤサイズごとの外径は、813アライメントツールズの「タイヤ外径早見表」で確認できます。

計算例|195/55R15
タイヤ外径:595.5mm
ハブ中心高さ:595.5 ÷ 2 = 297.75mm

前後でタイヤサイズが異なる場合は、フロントとリアをそれぞれ計算し、その差を製品仕様へ反映します。

実測値より計算値を基準にする

車両を接地させた状態で、地面からハブ中心までの距離を実測することもできます。

ただし、実測値には次の条件が影響します。

  • タイヤ空気圧
  • タイヤの摩耗
  • 車両重量
  • タイヤのたわみ
  • 床面の傾き
  • 測定作業自体の誤差

計算値と実測値に大きな差が生じることは多くありません。そのため、仕様を決める際は、条件によって変化する実測値よりも、タイヤサイズから算出した計算値を共通の基準として使用する方が管理しやすくなります。

特に前後でタイヤ外径が異なる車両では、前後それぞれのタイヤサイズからハブ中心高さを計算し、その差を製品仕様へ反映することが重要です。

コーナーウェイトを測定する場合は、車両を支持する高さが数mm変わるだけでも、前後左右の荷重バランスが大きく変化する場合があります。実測値を使用する場合は、測定条件と測定誤差を十分に確認する必要があります。

前後でタイヤ外径が異なる場合

前後異径の車両では、前後それぞれのタイヤ外径に合わせてハブ中心高さを設定します。

フロントタイヤとリアタイヤで外径が異なる場合は、フロント用2枚とリア用2枚で異なるハブ中心高さとします。

4枚を共通の高さにすると、タイヤ装着時に存在する前後の高さの差を再現できません。アライメントやコーナーウェイトの測定環境を整えるうえでは、前後のタイヤ外径差を反映した仕様が適切です。

前後異径への対応
813アライメントツールズでは、前後2枚ずつでハブ中心高さが異なるカスタム仕様でも、追加料金はいただいていません。

前後異径は特別な装飾や追加機能ではなく、車両状態を可能な限り正確に再現するために必要な仕様と考えているためです。可能な限り正確にアライメントを測定できる工具を普及させたいという考えから、標準対応としています。

基準値より低く設定する場合

使用するタイヤ外径の半分より、ハブ中心高さを低く設定することもできます。

30mm低くする例
297.75mm − 30mm = 267.75mm

低く設定することで、ダミーホイール本体を短く、軽くできます。車両への着脱、サーキットへの運搬、保管時の取り回しもよくなります。

一方、短くしすぎると、定盤へ車両をジャッキダウンした後、車種やジャッキの形状によってはジャッキを車両下から抜けなくなる場合があります。

低く設定する場合は、軽さや取り回しだけでなく、使用するジャッキと車両下部のクリアランスも確認する必要があります。

ハブ中心高さを長くする場合

ハブ中心高さを長くすると、ジャッキダウン後の足回りへのアクセスがややよくなります。

一方で、ダミーホイールを装着して定盤へ下ろすために、車両をより高い位置までリフトする必要があります。

一般的なガレージジャッキでは、リフト量が大きくなるほど、ジャッキアップ中の車両の前後移動量も増えます。そのため、ダミーホイールと定盤の位置を合わせにくくなる場合があります。

長ければ使いやすい、短ければ使いやすいというものではなく、使用する設備と作業手順に合わせて決める必要があります。

短い仕様と長い仕様の比較

短い仕様

メリット
  • 本体を軽くできる
  • 車両への着脱がしやすい
  • 持ち運びや保管がしやすい
  • サーキットでの取り回しがよい
デメリット
  • ジャッキダウン後にジャッキを抜けない場合がある
  • 車両下部や足回りへのアクセスが制限される場合がある

長い仕様

メリット
  • ジャッキダウン後の足回りへアクセスしやすい
  • 車両下部に作業スペースを確保しやすい
デメリット
  • 車両を高い位置までリフトする必要がある
  • ジャッキアップ時の車両の前後移動量が増える
  • 定盤への位置決めが難しくなる場合がある
  • 本体が重くなり、運搬や保管の負担が増える

定盤の高さで車両姿勢を調整する

ダミーホイール本体のハブ中心高さだけでなく、車両前後の定盤高さを変更することで、車両姿勢を調整する方法もあります。

例えば、前後の定盤に高さの差を設ければ、ダミーホイール本体を変更せずに、前後のハブ位置関係を調整できます。

この方法を利用すると、別のタイヤサイズや前後異径タイヤを想定した車両姿勢などを、定盤側の調整によって再現できます。

実際のハブ位置は、次の2つによって決まります。

  • ダミーホイールのハブ中心高さ
  • 定盤の設置高さ

ダミーホイール単体の仕様だけでなく、レベリング定盤の調整も組み合わせることで、複数の車両状態に対応しやすくなります。

定盤の高さを変更する場合は、4輪の高さと傾きを測定し、意図した車両姿勢になっていることを確認する必要があります。

複数車種で共用する場合

複数車種でダミーホイールを共用する場合は、PCDや穴数だけでなく、それぞれの車種で使用するタイヤサイズも確認します。

車種ごとにPCD、穴数、ボルト径、タイヤ外径が異なるため、ひとつの仕様で共用できるかは個別の確認が必要です。

共用したい車種がある場合は、注文前に車種とタイヤサイズをお知らせください。ダミーホイール本体の仕様と、必要に応じた定盤高さの調整を含めて、対応方法をご案内します。

注文前に確認する情報

ハブ中心高さを決めるため、注文前に次の情報をお知らせください。

  • 車種
  • 前後のタイヤサイズ
  • 共用したい車種(ある場合)
  • 基準値より低くしたい場合の変更量

CHOOSE YOUR NEXT STEP

必要な高さを確認して、次へ進む

タイヤ外径から基準値を確認できます。車両や作業環境に合わせた高さで迷う場合は、ご注文前にご相談ください。

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